フェンダージャパンはダサいのか? 40年愛用するオヤジ達のリアルな結論

1982年製フェンダージャパンST-62-65ヘッドロゴ ジャパンヴィンテージギター

先日、バンド仲間と練習を終えていつもの喫茶店に立ち寄った時のこと。そこで「ジャパンヴィンテージギターの価格高騰」が話題になりました。

私が「昔6.5万円で買った俺のフェンダージャパンと同じモデルが、今ネットで定価の3倍以上で売られてたよ!」と話すと、メンバーの1人がこう言いました。

「でもさ、昔フェンダージャパンって『ちょっとダサい』みたいなイメージなかった?」

う〜ん、確かに…。

当時はグレコやトーカイ等と同様、フェンダージャパンも「本家USAが買えない初心者向けのコピーモデル」という印象があり、私自身も心のどこかで少しダサいかも?と思っていた時期がありました。

でも今、高いお金を出して中古のフェンダージャパンを必死で探し回る人が世界中にたくさんいるのが事実です。

フェンダージャパンは本当にダサいのか?

なぜ当時はそんなイメージを持たれていたのか?

この記事では、40年以上ギターに魅了され続けてきたオヤジ達の喫茶店での考察と、所有者だからこそわかる「フェンダージャパンの本当の評価」をまとめました。

【結論】「フェンダージャパンはダサい」という価値観こそがダサい

バンドメンバーと小一時間話し合った結果、私たちの結論は「フェンダージャパンはダサいのか? という議論をすること自体がナンセンス(=ダサい)」というところに行き着きました(笑)。

もちろん、感じ方は人それぞれです。

「フェンダー自体がギブソンよりダサい」という人もいれば、「日本製のギターなんてどれもダサい」という人もいます。

車で例えるなら「ベンツ最高!」と言う人にとっては確かに「トヨタなんてダサい」かもしれません。

一方で「いやいやトヨタが世界一だ」と愛する人がいるのと同じことです。

ただ事実として、今はフェンダージャパンのギターが世界的に高く評価され、中古品が「ジャパンヴィンテージ」として高値で取引されています。

そのジャパンヴィンテージの中でも、最も高値で取引されているトップブランドが「フェンダージャパン」なのです。

この圧倒的な人気の理由は、単なるノスタルジーではありません。

当時は豊富にあった良質な木材が惜しみなく使われている点や世界に誇る日本人の緻密な製造技術への信頼が、40年の時を経て証明された結果です。

なぜ昔は「フェンダージャパン=ダサい」という印象だったのか?

ではなぜ1980年代〜90年代に青春を過ごした私たち世代は、フェンダージャパンに「ちょっとダサい」という先入観を持っていたのでしょうか?

その理由を3つに考察してみました。

理由1:強烈な「アメリカ至上主義」だったから

特に1990年頃まで、日本人の間には「欧米(特にアメリカ)のものは無条件でカッコいい」「日本製のものはダサい」という感覚がありました。

今でも「会議=ミーティング」「議案=アジェンダ」「目的=パーパス」とわざわざ英語に置き換えて言うのは、その名残りでしょう。

ギターも全く同じで、単純に「日本製よりアメリカ製(本家USA)の方が偉い、かっこいい」という思い込みが蔓延していたのです。

当時USAへの強い憧れがあった名残りで、実はお恥ずかしながら私のフェンダージャパン(ST-62-65)のピックガードには「Pickup made in USA」の丸いシールが40年経った今でも貼られたままです。

ピックアップだけはUSA製が使われていて、当時それが誇らしくてどうしても剥がせませんでした。今もそのままにしているのは、ここだけの秘密です(笑)。

理由2:「価格が安い=初心者向け(ダサい)」という思い込み

私が所有するフェンダージャパンのストラト(ST-62-65)は、今でこそ中古市場で20万円前後で取引されていますが、1982年当時の販売価格は65,000円でした。

このギター、40年以上経った今でも音も見た目も申し分ないバリバリの現役で「これが本当に6万円台で買えたのか?」と驚くほどですが、当時は「高いものほど本物」「安いものはダサい(初心者向け)」というイメージを少なからず持っていました。価格の安さがある意味でブランドイメージを下げていたのも事実です。

理由3:楽器店での「ディスプレイ(陳列)」の格差

楽器店のギターディスプレイ(島村楽器)

昔の楽器店でのディスプレイの違いも、「高級感」や「ダサさ」の印象を大きく左右していました。

ギブソンやフェンダーUSAは、ガラスケースの中や手の届かない壁の最上段に神々しく飾られていました。

一方でフェンダージャパンは、グレコやトーカイと同様に、床に近いスタンドなど「誰でも気軽に手に取れる低い位置」にズラリと並べられていたのです。

でも先日、仲間と練習帰りに中古ギター専門店に立ち寄るとフェンダージャパンのギターが壁の最も高い位置にディスプレイされ、数十万円の価格札がついていました。

その姿に「ダサい」イメージは微塵もなく、むしろ高級品の風格すら漂わせていました。

陳列一つで人間の印象とはこうも変わるのかと痛感しました。

実際の評価は?フェンダージャパンの「本当の魅力」

フェンダージャパンストラトを弾く(チョーキング)

先入観を抜きにして、現在世界中から評価されているフェンダージャパンの「本当の魅力(見た目と音)」について解説します。

見た目の評価:スリムな美しさと耐久性

フェンダージャパンは、塗装(ポリエステル等)がやや厚めに塗られている傾向があります。

そのため木目の質感は当時のUSA製品に比べるとわかりにくいですが、その分個体差が少なく、均一で非常に美しい仕上がりになっています。何より、分厚い塗装のおかげで異常なほど丈夫です。

また、日本人向けにネックやボディのシェイプが少しスリムに設計されているモデルもあり、それが「美しい」「本家USAより断然弾きやすい」と再評価されています。

私のストラトもネックにうっすらとトラ目とバーズアイ模様が出ており、現行のUSA製品よりもよほど高級感があります。

少なくとも見た目なら、真っさらでツルッとした新品フェンダーUSAのネックとは比べ物にならない貫禄です。

音質と材質の評価:良質な木材とヴィンテージの鳴り

特に1980年代から1990年初頭に製造された初期のフェンダージャパンは、今では考えられないほど良質な木材が使われています。

当時はまだ世界的に「乾いた良質な木材」が豊富で、今なら数十万円の高級ギターにしか使われないような素材が低価格帯のモデルにも惜しみなく使われていたからです。

良質な素材が日本人技術者によって丁寧に組み上げられ、さらに長い年月を経て木が乾燥したことでヴィンテージならではの「枯れた深い鳴り」へと熟成されている個体が数多く存在します。

あと、機種によっては6万円台のギターでもUSA製のオリジナルピックアップが搭載されているものもあったり。とにかく贅沢な時代でした。

全てが良いわけではない?「当たり年」「ハズレ年」の存在

もちろん、全てのフェンダージャパンが高品質で数十万円の価値があるわけではありません。製造年代やモデルによって、価格が安いものもあります。

その中でも「大当たり」と言われているのが、1982年〜1997年にかけてフジゲン(富士弦楽器製造)が製造した個体です。

特に初期の1982年〜1984年に製造された通称「JVシリアル」(ネックプレートの番号の頭がJV)は、中古市場で異常なほどの高額で取引されています(私のST-62-65もこのJVシリアルです)。その他、「Eシリアル」なども非常に人気があります。

一方でバンドブームが去った1997年〜2008年頃のCrafted in Japan期は、不景気やコスト削減の影響もあり品質にばらつきが出た「ハズレ期」とも言われています。

ただこの時期も個体によっては高額で取引されるものも多く見られるので、あくまでも評価は個体によって大きく変わります。

【まとめ】もし実家にフェンダージャパンが眠っているなら

Fender Japanストラトキャスター・テレキャスター(1983年カタログより)

かつて日本人が「日本製=ダサい」と少し見下していた時代でも、実は海外のプレイヤーの中には「日本製のフェンダーは安くて最高に品質が良い」と気づいていた人がいました。

そして長い時間を経て、その品質の高さが世界的に証明されたのが今のジャパンヴィンテージ・ブームです。

「ダサいかどうか?」が気になる人は、ぜひ一度楽器店で実際に手に取って鳴らしてみてください。

その弾きやすさと音の良さに驚くギターに出会えるはずです。

自分のギターの「今の価値」を調べてみませんか?

もし、あなたやあなたの実家に「昔買ったフェンダージャパン」が眠っているなら、それは今とんでもない「お宝」に化けている可能性があります。

「自分のギター、今売ったらいくらになるんだろう?」と気になった時は、楽器の買取専門店で「無料査定」をしてもらうのが一番手っ取り早く、確実な方法です。

私も興味本位で自分のST-62-65をネットの無料査定に出してみたところ、傷アリ品にも関わらず118,400円という予想外の価格がつき改めて自分のギターの価値の凄さに驚かされました。

ただし査定に出す際は近所のリサイクルショップではなく、必ず「ギター専門の査定士」がいる楽器買取専門店を選んでください。

専門知識がないお店だとジャパンヴィンテージの本当の価値がわからず(シリアルごとの違いさえわからない人もいる)安く買い叩かれる可能性があります。

私が実際に試して、古いギターの価値を正確に見極めてくれた「おすすめの無料出張買取サービス」は以下の記事で詳しく比較しています。

売るつもりがなくても、自分のギターの「今の価値」を知るだけでも嬉しいですし愛着も深まります。

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