フェンダージャパンの価格が高騰していることを知り、「自分のギターは今いくらぐらいかな?」と興味本位で査定に出してみたところ118,400円という見積もりに驚いたのが2年ほど前のこと。傷アリにも関わらず当時の定価(6.5万円)の2倍近い査定額でした。
同じ機種でコンディションの良い物なら中古市場で20万円以上で売買されていたりします。
でも、そんな高値で売れるにも関わらず、私が今もこのギターを手放さず弾き続けているのはその価格以上の価値を身をもって実感しているからです。
この記事では、40年弾き続けているFender Japan ST-62-65の音の鳴り、弾き心地、耐久性など、リアルな体験を元にした評価をお伝えします。
また「自分のギターの今の価値を知りたい」と思っている方向けに、これまで複数のギターを査定してわかった高額査定のコツなどもご紹介します。
40年前に買った1982年製 ST-62-65の評価がすごいことになっていた
私が40年ほど前に買って、今もメインで弾き続けているFender Japanのストラトキャスター「ST-62-65」。当時の定価65,000円だったものが、2026年現在の中古市場で20万円以上で普通に取引されています。
傷アリの私のギターでも118,400円という買取査定額が付きました。現行のUSA製の新品が25万円前後で売られている中で異常とも言える価格高騰ぶりです。
ただ、長年このギターを弾き込んできた私としては、この価格の高さも充分うなずけるというのも本音。それぐらい価値のあるギターです。少し熱が入るかもしれませんが、私が「このギターに価値がある」と思う理由を聞いてください。
音(鳴り)が最高。Charに憧れたあの日の衝撃
実は私、40年ほど前にこのFender Japan ST-62-65を友達から譲ってもらいました。
当時、その友達の家に遊びに行った時にこのギターを弾かせてもらい、一瞬でその音に惚れてしまいました。芯が太く抜け感があり、軽くオーバードライブをかけた時の歪みとクリーントーンのバランスが絶妙で、それまで体験したことない「鳴り」だったのです。
ギタリストのCharさんに憧れていた私は、弾いた瞬間「Charの音が出た!」と大騒ぎ。「すごい、すごい」と興奮していると、友達が「ぜんぜん弾いてないから売ってあげようか?」と。彼の家はお金持ちで、ギターやベース、シンセなど色々な楽器があり、このストラトを買ったものの数年間ほとんどケースに入れっぱなしだったようでその場で商談成立。確か3万円、後払いでした。
40年経った今の音色(熟成したヴィンテージトーン)
あの日から長い年月を経て、元々の芯の太さに暖かみとサスティーン(音の伸び)が加わりました。色気のある音とでも言いましょうか。木が乾いてヴィンテージらしい深みのある音になったと感じます。
つい先日、新品で25万円ほどのUSA製(American Professional Classic)と私のFender Japan ST-62-65を同じアンプで弾き比べたところ、確かに音圧は劣りましたが音色の深みについては明らかに私のギターが優っていました。(行きつけのギターショップの店主も同じ評価でした)。
また、このST-62-65には最初からUSA製ピックアップが付いている点も音質に大きく影響しています。本家USAのフラートン工場で巻かれていた本物のヴィンテージピックアップが、40年の経年変化により程よく磁力が落ち、まろやかなヴィンテージトーンを生み出しています。
1962年製を完全再現した「手に吸い付く弾き心地」
私のストラトはとても弾きやすいと仲間内で評判です。たまにスタジオミュージシャンをしている友人がライブをする際にわざわざ借りに来るほどです。
この頃のFender Japanは、本家USAの設計を異常なレベルで忠実に再現しているとのことで、ネックを握った時の「手に吸い付くようなフィット感」は1962年製ヴィンテージそのものだと絶賛されます。
指板のカーブが強めの「7.25インチラジアス」と、細くて低い「ヴィンテージサイズフレット」がネックの握りやすさに直結しています。コードチェンジが多いカッティングの曲や、ビブラートで指先の微妙なニュアンスを出したい時には必ずこのST-62-65を使います。
チューニングがほとんど狂わないのも特徴で、最初に合わせたら半日スタジオに入ってもほとんど調整しなくて済むほど。当時の国産パーツ(ペグなど)の精度はなかなかなものです。
当たり年のフジゲン製「JVシリアル」の凄み
私のST-62-65(1982年製)は、Fender Japanの中でも特に当たり年と言われる、いわゆる「JVシリアル」のギターです。
もちろん私が買った当時、「JV」はただのシリアル番号の文字の一部でしかありませんでした。
でも後々、初期にフジゲン(今や世界的なギターメーカー)が製造した時代のシリアルが再評価され「JVシリアル」と呼ばれるようになりました。
1982年と言えばまさにFender Japan開業の年。アメリカの監修を受けながら技術力の高いフジゲンが質の良い木材を使って製造しており、最も気合いが入っていた頃です。
音の良さや作りの良さがシンプルに評価され、今やジャパンヴィンテージギターのトップに君臨しています。
正直に語るFender Japanのデメリット(弱点)
自分のギターが気に入っているので良い部分ばかり書いてきましたが、当然デメリットもあります。
同価格帯の新品USA(American Professional Classic)と比べて劣る部分にも触れておきます。
- メタル系の速弾きには向かない
62年製ストラトを忠実に再現しているため、弦高を下げすぎると指板の丸み(アール)の影響でチョーキング時に音詰まりがします。ヘビメタなど弦高を極端に下げる速弾きギタリストには不向きです。 - ハーフトーンが出しにくい
当時の仕様のままピックアップの切り替えスイッチが「3段階」です(現代のUSAは5段階)。そのためリアとセンターの中間などのハーフトーンを出そうと思うと、スイッチを指先の絶妙な感覚で中間に止める必要があります。 - ガリ(接触不良)が出ることがある
40年以上前に製造されたギターなのでケーブルのジャックを抜き差しする時にガリが出ることがあります。ジャック穴のボルトも緩みやすくなっています。 - ネックの調整がかなり面倒
トラスロッド(ネックの反り調整部分)がヒール側にあるので、いちいちネックを外さないと調整できません。ヘッド側からレンチで一瞬で調整できる現代のギターの利便性には完敗です。 - 音圧と音のキレ感
ヴィンテージならではの音の暖かみがある反面、新品USAほどの音のキレ感や音圧はありません。パキッとした現代的なサウンドを求めるなら新品USAに軍配が上がります。
25万円の新品USA製とFender Japan(中古)の違いと比較

中古で20万円以上で取引されているFender Japan ST-62-65と、同価格帯の新品のUSA製American Professional Classicのスペック比較をまとめてみました。
| スペック項目 | Fender USA(現行新品)American Professional Classic | Fender Japan(中古)ST-62-65(1982年製・JVシリアル) |
| 実勢価格 | 約242,000円〜264,000円 | 現在の中古相場:15万〜25万円以上 (当時定価:65,000円) |
| ボディ材 | アルダー | アルダー(良質なソリッド・アルダー) |
| ネックシェイプ | Modern “C”(現代的でやや薄め) | Vintage “C”(標準的〜ややスリム) |
| 指板 / ラジアス | ローズウッド or メイプル / 9.5インチR | ローズウッド(スラブ貼り) / 7.25インチR |
| フレット数 / サイズ | 22フレット / ミディアムジャンボ | 21フレット / ヴィンテージサイズ |
| ピックアップ | Coastline ’57 Single-Coil × 3 | Fender USA製 Vintage Single-Coil × 3 |
| 塗装 | グロス・ウレタン | ポリエステル(※驚異的に極薄な仕上げ) |
| 電装系回路 | Greasebucket トーン回路 | スタンダードなパッシブ回路(出荷時は3way) |
ジミヘンやクラプトンなど70年代ブルースロック系の音が好きならFender Japan。80年代以降の速弾き系や、今風のパキっとした音色のギターが好きなら新品USA製、というイメージで選ぶと失敗が少ないと思います。
自分のギターの「今の価値」を知るには?
Fender Japanに限らずGrecoやTOKAI、Fernandesなど、日本製の古いギターやベースの価格はいま異常に高騰しています。
「ずっと弾いていない古いギターがあるけど、どうしようかな」と迷っている方は、まずは査定だけでもしてみることを強くおすすめします。あなたのギターも「お宝」の可能性は充分にあります。想像以上に自分のギターに高値が付いた時の感激を、ぜひ味わってみて欲しいです。
査定に出すなら「ネットの無料出張買取」一択
私の経験上、ギターを店舗に持ち込んで査定してもらうのはおすすめしません。
過去にギターショップに持ち込んだ際、査定額に納得できず断ろうとしたのですが、丁寧にチェックしてもらった手前、何度も引き止められて非常に気まずい思いをしたからです。
その後、ネットの買取専門店に出張査定を依頼したら、店舗よりも2万円近く高い査定額がつきました。交通費や手間もかからず、「ちょっと検討します」と言っても全く嫌な感じにならないので、圧倒的に楽でした。
お店選びの基準は「完全無料」「出張対応」「楽器専門の査定士がいる」の3点です。以下の3社で相見積もりをとっておけば、大切なギターを安く買い叩かれる失敗はありません。
👉 [【実体験】楽器買取専門店おすすめ比較!古いギターを最高値で売るコツ(※記事1へのリンク)]
【最後に】40年以上ST-62-65を弾き続けて思うこと
中学生で初めてエレキを買ってから40年以上経って、今でも弾き続けているギターはこの1982年製ST-62-65のストラト1本だけ。今まで一度もこのギターを手放そうと思ったことはありません。(とは言え、12万円の買取査定が付いた時はちょっとだけ気持ちが揺れましたが笑)。
私にとってこのギターは、音も弾き心地も最高で、見た目も大好きな一生の相棒です。
査定に出してみて12万円弱の値が付いたことで、このギターの市場価値を再認識するとともに、「これからも大切に弾き続けよう」という気持ちがさらに強くなりました。
私は最近またジミヘンのクリーントーンにハマっており、あの名曲『Little Wing』をこのFender Japanで弾きまくっています。この記事が、あなたの愛機の価値を見直すきっかけになれば嬉しいです。

